カレイなるオバリーナの世界

ベテラン中高年バレエ愛好者(オツボネリーナswan)が華麗にして加齢なるオバリーナの世界を赤裸々に語る!

生の舞台

バレエの生の舞台を見たことが無いオバリーナ、手を上げて~!

 

あら、結構いるのね……残念。

 

今、Youtubeで、いくらでもバレエの動画を見ることができる。

だが、生の舞台ならではの良さがある。

たとえ後ろの方の席でダンサーが豆粒のようにしか見えないとしても。

 

生の舞台は、その一瞬一瞬の連続である時間を、舞台と客席が共有することの醍醐味を味わえる。かけがえの無い時間だ。それを味わって欲しい。

 

開演前のロビーは、今から始まる舞台への期待と高揚感で騒めく。

スタンド花が飾られ、プログラムが売られている。グッズのショップがあることも。

シニヨンの低学年の子どもたちや、綺麗なスラリとした女の子たち。バレリーナの卵たちは愛らしく麗しい。

 

おばさまも妙に姿勢がいい。きっとオバリーナなのだろう。

キラキラおめかししている。着物の方もいる。

女性率、9割。従って男性トイレが臨時女性トイレになっていることも多い。

 

開演間近、客席につくと、オーケストラの音合わせ、これから始まる演目の一部分が聞こえる。

そして客席が暗くなると、ほどなく指揮者が登場、拍手。

演奏が始まる。

 

序奏があり、幕が開く……それからは、音楽と舞踏の洪水だ。

あんな風に踊れたら……うっとりする。だが、ダンサーも人間、時には失敗してしまうことも有る。コールドダンサーが黒のレッグウォーマー履いたまま出てしまったり、長いパドブレのまま舞台袖に入っていく筈が途中で踵が落ちてしまったり。色んなハプニングを目撃した。プリマが滑って転んだこともある。客席も一瞬凍り付く。

 

しかしすぐに何事もなかったように笑顔で立て直す。そういう精神力もバレエでは鍛えられるのである。

 

確かに有名バレエ団の公演はお値段がかなり張るので、しょっちゅうは行けない。

でもその価値はある。当たり前だがダンサーは皆粒ぞろい。コールドの端っこにいる人だってスタイル抜群、表情、身のこなしも洗練されている。

更に豪華な衣装、舞台装置、生のオーケストラ。存分に堪能したい。

 

 しかし、私はプロの舞台と同じくらい、よそのバレエ教室の発表会を見るのが好き。

豪華男性ゲストが出演しているのに、こんなにお安くていいの!? と思うこともしばしば。

チケットを頂くことも多い。友だち、もしくは友だちのお子さんが出演していることがほとんどなので、そういう場合はお菓子や花束などのプレゼントを持参する。

 

そして私はオバリーナであるからして、オバリーナ仲間の踊りを注目する。

 

仲間よ、頑張れ、応援してる! の気持ちだ。

 

ああ、ここ難しそう。いっぱい練習したんだろうな。

良く揃ってる! 頑張ってる! キツそう、笑顔で乗り切れ!

 いいよいいよ~~

あ~、ちょっと間違えた? でも大丈夫! 愛嬌愛嬌! 

 

同年代の皆さんの踊りは、とっても参考になる。

踊り終ってのレベランスの笑顔にこちらも感極まり、手が痛くなるほど拍手をする。

 

プロの舞台も、バレエ教室の発表会も、

生の舞台はダンサーの息づかいが感じられる。

 

私も頑張るわ! と

見ているオバリーナの息づかいも荒くなるのである。