カレイなるオバリーナの世界

ベテラン中高年バレエ愛好者(オツボネリーナswan)が華麗にして加齢なるオバリーナの世界を赤裸々に語る!

第5中足骨骨折③~松葉杖で悶々とする日々

松葉杖生活はストレスが溜まる。

 

階段は怖いから
お尻で上り下りする。
外出しても、ちょっとした段差が気になり
泣きたくなることしばしば。
階段の横にスロープがついてたり、と
体の不自由な人に優しい心配りがあると
嬉しくなる。
何ともない時は気が付かなかった事。

 

一応体は元気なので
じっとしてるのも嫌だし、
出来る範囲で家事もする。


買い物は高校生の娘が
夕方、駅に着く時間に待ち合わせて
一緒に駅のスーパーで買い物、荷物を持ってもらう。

 

身軽に動けないから、
冷蔵庫やお菓子の棚を覗くのも億劫。
必然的に間食が減るし、
ストレスも有って痩せた?様な気もするけど
ギプスしてるから、ホントの体重が分からない。

 

ギプスも進化してるのだろう。
中が痒くなっても掻けないのって、
拷問だよなあ、って思ってたけど
そんな事は一回も無かった。
5月だったからかな?
蒸れた感じも無かった。

 

時々バレエ仲間からの励ましの電話が有り
有り難いと思いながらも、
気持ちは焦るばかり。


『ルスカヤ』はバレエシューズだからまだ楽だし、
振付けも終わっていたからまだ望みが有ったけど
もう一つの演目、『海賊』の『花の輪の踊り』は
トウシューズで、振り付けも終わってなかったので
完全に諦めざるを得なかった。

 

そうこうするうちに、
6週間が過ぎた。


いつものように病院でレントゲンを撮り、
写真を見た先生は笑顔で、
『骨がくっつきました。ギプスを取りましょう』と言ってくれた。

 

やった~~~!!!

 

やっと、ギプスと松葉杖から解放される日々がやって来た!


続く

鏡を見すぎると

バレエのレッスン場、お稽古場に鏡は欠かせない。

 

必ず、有るものだ。

 

公民館なんかを借りてレッスンする場合には、もしかしたら無いかもしれない。壁の3分の1くらいとか、小さな鏡だけ、ってことも。

 

鏡は必要。バレエは人に見せる芸術であるからして、どのように見えるかはとても重要なのだ。

 

オバリーナは、レッスンに入る前にまず鏡で今日の容姿(髪のまとめ具合、メイク)、レッスン着コーディネイト等をチェックする。

 

更衣室に鏡があるかどうかは、微妙だ。

有っても小さいことが多いし、着替える人でごった返している場合は、

鏡の前で悠長にシニヨンを結ったりメイク直しをするのはたいそう迷惑である。

したがって、家でキチンとまとめてくるのが基本。

 

でも、お稽古場の空間の中で、さりげなくチェックしてみたくなる。

あくまでも、さりげなく。ピン、留め忘れたわ~と一本差すくらいは許されるが、あれこれ髪をいじくりまわすのは、先生がいらっしゃらなくてもベテランのオツボネリーナの顰蹙を買うことになるだろう。

 

レッスン着コーディネイトチェックもあくまでさりげなくさりげなく。

あ―この巻きスカにするんじゃなかった、テンション下がるわ~とか、

嫌なあの人と双子コーデになっちゃった! と気づいても、仕方ないと観念しよう。

 

さ、肝心のレッスン。

 

一番『あるある』なのは、鏡を常に見てしまうことだ。

 

バーレッスンが鏡を見れる位置ならば、時々チェックするのはいいと思う。

 

問題はセンターレッスン。

アラベスク。脚上がってるかしら? 膝が曲がってないかしら? 膝が下を向いてないかしら? はい、上がってないし、曲がってるし、下を向いてます。残念。チェックしたい気持ちはわかる。私もつい見てしまう。

 

でも、なるべく見ないように心がけよう。

 

常に鏡を見る癖がつくと何故問題なのかというと、本番の舞台には鏡が無いからだ。

 

レッスンはあくまで本番の舞台のためにある。鏡ばっかり見てる人がいざ舞台に上がるとどうなるのか? 脅かすわけじゃないが、恐ろしいことが起きる。

 

鏡は言わば閉ざされた壁だ。だが、本番の舞台では広く高く、奥行きのある客席、空間が広がっている。床だって違う。舞台上では、お稽古場と感覚が違い、ふらついたり、自分がどこにいるのか、どこに行ったらいいのか、わからなくなる。大勢で踊る場合は他の人との間隔、角度等も、鏡でなく感覚で把握しておかないと本番で踊れない。これは、ショシンリーナのまさに壁と言えるだろう。

 

レッスンでは、鏡でのチェックは最小限度にして、体の感覚と空間の把握に集中しよう。目で見る形にとらわれすぎて、自分の感覚がおろそかにならないように。

 

あ、『鏡あるある』がまだあった。振りが怪しい時に上手な人を鏡で見ながら真似て踊ることだ。これの欠点は、ワンテンポ遅れることと、その人が間違えると一緒に間違えてしまうことだ。しかも、上手な人は間違えても綺麗で余裕で傍から見ても分からないのに、自分はみっともなく目立ってしまうのが、とても残念なところだ。

バレエを奪われたオバリーナは

新型コロナウィルスの流行で

私の行っているバレエ教室までもが、しばらくの間お休みになってしまった。

 

 私は、先生が迷っておられる段階で、大人のレッスンだけでもしてもらえないでしょうか!?と、先生にお願いした。藁をもすがる思いで。でも、そう言いながらも、難しいだろうなとわかっていた。

 

大人のクラスは混みあってはいないものの更衣室では触れ合う距離だし、大人だけするのは不公平でけじめがつかない。学校がお休みになった子どもたちが、大人のレッスンに加わりたいとやって来たら、どうするのか。それはダメだ。ここはキッパリと拡大を防ぐためにお休みにしよう。先生の苦渋の決断。発表会も夏と秋に控えて、振り付け真っ最中なのに。予定が大幅に狂う。お察しする。

 

わかる、わかる……先生も辛いよね……ああ……

 ワタシも辛いよ……

 

出るのはため息ばかり。

 

今まで、色んなイベント中止、スポーツも……公共施設も……そんな報道を聞いても、う~ん、しょうがないね、残念だけど~~なんて、口では言ってもまだ他人事。そんなに深刻じゃなかった。

 

でも、まさか、バレエが出来なくなるとは思ってなかった。

ショック! である。

 

 

バレエが生きがいのオバリーナはどうしたらいいの~~~!!!!!

 

自分の怪我や体調不良以外のことでバレエが出来なくなるなんて。

 

ああ、娘のお産で一ヶ月ばかり家を空けた時があったが、その時も空いた時間に現地のオープンクラスに行っていた。

 

 

バレエに行かないと、毒が回るのよ。

バレエはデトックスなの。

 

毎日溜まっていく大小の鬱々。

同じく毎日確実に! ああ! 体に溜まっていく老廃物、脂肪。

そういう精神、肉体両面での憎むべき要らないものが、

音楽に乗って体をグルグルめぐり、溶け出し流れ消えていく。

α波、瞑想効果、まあ、とにかく気分が爽快になるわけよ。そうかい。

 

それが出来ないとなると……そうです……溜まっていく一方。

まずい。これはまずいですよ。

 

さて、どうするか?

 

オバリーナは考える。

 

ひとつには、オープンクラスを探してレッスンに行く。

でも。〇ャコットもお休みなのね。

他のところを探すと言っても、やはり出かけていくこと自体が今の時期ははばかられる。

 

さあ、じたばたせず覚悟を決めて、

家にいて出来ることを模索しなくてはならない。

 

家でレッスンする?

うーん。

のっけから言い訳するの、いいわけ!? と怒られそうだが、

家では気合が入らないのだ。

 

お稽古場ではレオタードに着替えて、レッスンメイトと会い

バーを出して、先生がいらして、さあ! 深呼吸して……

そうやってレッスンに入っていくのに、家ではどうだ。

義父いるし旦那いるし、レオタードに着替えられるか?

狭い家で椅子の背につかまってプリエする? グランジュテどこでするんや?

と言うことで本格的なバレエレッスンは無理。

先生に正しい指導を受けないと、自分ではわからない部分もあるし。

 

でも、しないよりマシ。0か100かではなく、70でも30でもいいじゃないか。

であるので、せっせと体を動かし、ストレッチなども怠らず、

体力維持に努めなければならない。

今、色んな動画もあるので、それを参考にするのもいいと思うが、ありすぎて選べない。延々と見続けて実際は自分ではやらない、ってことになりかねない。

 

あんまり悩まず、これ!と決め、決めたら淡々とやるのだ。

 

でも、出来ない時があってもいい。

また、淡々と再開する。

完璧を目指さない。

 

オバリーナはいろいろあるのだ。マスクやトイレットペーパーの在庫も気になる。

牛乳、まだあったかしら。食パンは2枚あった。買うの明日でいいな。家庭内のこと、親戚のこと、行政区のこと、アイドルのこと、すべてをかなりの部分把握している。

オバリーナってすごいな。こんな中でバレエしてる私ってすごい。自分で褒める。

 

バレエに行けない間、太ってしまってはいけない。

カロリー消費量がどうしたって下がるのに、

家にいて、ああ、レッスン行けなくて辛いよ~ってお菓子食べ続けるのが最悪だ。

 

カロリー摂取量>カロリー消費量=デブ

 

体が重くなってレッスン再開した時に、怪我するのがオチだし、

見た目もモッサリしてかなり残念になる。

 

むしろ、お休み明けにスッキリ脂肪を落とせていたら最高だ。

休み明け、レッスンメイトとの再会。

『久しぶり~』なんて挨拶して。

更衣室で、着ていたパーカーをサラリと脱ぐ。

露出多めの白のレオタード。

引き締まったウエストと小さいお尻をさり気なく見せつけ、ちょっと眉を上げ軽く微笑む。

レッスンメイトが息を飲み羨望の眼差しを向けるのがわかる。

 

あ~いいね。

なんてことをやってみたい。

 

こういうことを妄想するのだ。

 

これを書きながら、言い聞かせる私である。

 

YouTubeでバレエ動画を見るのも楽しい。

今、自由に誰もが世界中のバレエを見られるようになって有難い。

情報ありすぎで何が本当か自分のためになるのか判断できず、それこそ踊らされることも多いのだけど。

 

 


オバリーナは体の衰えが来ているので、
お休みが長いと、もう自分バレエ無理なんじゃないかと弱気になる。

若い子たちは、お休み明けでもすぐに軽々と跳んだり跳ねたりしてるのよね~

ブランクを感じさせない。

私たちはそんなことしたら骨折しそうだ。

 

 

ああ……

つい、ため息が出そうになるのを振り払う。

こちとら何年生きてると思ってるんじゃい!

筋金入りのオバリーナじゃ!

と訳の分からないことを脳内で叫ぶ。

 

 

ここがオバリーナの頑張りどころ。

覚えた振りを忘れないように。

食べ過ぎないように、

笑顔で乗り切ろうじゃないか!

 

バレエの舞台用笑顔は、少女マンガみたいに目に星☆を入れるのだ。

キラキラ~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第5中足骨骨折②~ギプス&松葉杖

 2006年のの4/29、左足の甲を骨折した私・・・

と、前回の分を読み返したところ、
ケンケンの箇所で間違いを発見!

『左足スリッパのままでケンケン』
と書いたけど、
いや、左足は怪我したから
ちょっとでも何か触れたら痛い。
左足は何も履けなかった筈だ。

とすれば、右足だけスリッパ履いてたんだ。
怪我してない右足は靴を履いて入れば、
まだケンケンもし易かったろうに。
バレエ教室から病院に行く時に、
左足に靴を履けないから、
右足に教室のスリッパ履いて来たんだった。
なんともない右足には靴履けば良かったのに・・・

これが、動転してた、ってヤツ?

ためしてみてください、スリッパでケンケン。
やりにくさ満点だから。

ためしてガッテン!!


まあ、誰も試さないだろうけど。


で、骨折宣告され、2ヶ月半後の発表会出演も
危うくなった私。
ああ、時よ、戻れ・・・
あの、『ルスカヤ』のラスト20秒前まで・・・
と願うものの、叶う訳がない。

このままでは困るだろう、と言う事で
松葉杖を貸し出してもらう。

初めての松葉杖。
何だか勝手がわからない。
進む事は進むけど、
ぎこちなく、変なところに力が入る。
だって、こんなの練習する機会ないもんね。

病院に送ってくれた友達に迷惑かけついでに
家まで送ってもらい、
家族に『やっちまった』報告。

ああ・・・

気分は最悪だが
だんだん、
もう、こうなっちまったもんはどうしようもないぜ!
と言う気になって来た。

幸い、じっとしていれば痛くない。
すごく腫れがっていたけど・・・


翌日、近くの整形外科に行って診てもらう。

また、レントゲンを撮る。
昨日取ったレントゲン写真持参してるんだから、
それを使ってくれればいいのに、
やっぱりお金取るんだなあ・・・
と卑屈になってる私。

ま、当然と言うか、見立ては変わらない。
第5中足骨骨折。

ハイハイ。

『7月中旬発表会なんですけど、間に合いますか?』
と、又尋ねる私。
だって、それだけが気がかりなの~

先生の答えは、
H病院の先生と同じ。
ギプスは取れるけど、
その後の回復次第。間に合うか微妙、と言う事だった。

ウーン……

 そして、初めてのギプス。
どうやったのか、良く覚えてないんだけど、
何だかあっという間に固められちゃった。

ただ、思ったより重くない。
ギプスは骨がくっつくまで、
6週間、と言う事だった。
6週間、松葉杖。

車の運転が出来るのが、幸いだった。
何処へでも行ける。
でも、荷物は持てない。
斜め掛けのポシェットくらいだ。
炊事は?
ああ~どうしようどうしよう・・・

でも何より、発表会に間に合うかどうかが
やっぱり一番心配なのだった・・・

舞台で『華のある人』って

「華」のある人。

 

確かに存在する。

 

ここで言うのは、『舞台上で華のあるオバリーナ』と限定させていただく。

したがって下界でいかに地味でもっさりしていても

舞台で輝けばその人はオバエトワールなのである。

素晴らしい。私もオバエトワールになりたい!

 


『華』って何だろう?  

 

良く思うのだが、なかなかコレ!と言い切れない。

私を見て!って言うこれ見よがしのアピールではないし、

テクニックが優れているだけでもない。

容姿が優れているに越したことはないが、それだけでもないような……

だが、とにかくお稽古場では目立たない人が、舞台に上がると、

アレアレ? この人⁉ なんだか目立ってるぞ~キラキラしてるぞ~

知らなかったぞ~ 薔薇が咲いてるぞ~ってことが確かにあるのだ。

 


舞台観劇していても、スターは当然だが、群舞の中でも華のある人はいる。私はバレエでもミュージカルでも、お気に入りのダンサーさんを見つけて、

その人ばっかり見て楽しむことをいつもやっている。

 

特に男性イケメンダンサーを見出すのが楽しい。

 

よっぽど出演者が多い演目は無理だが、

そのダンサーが役柄衣装等を変えて出てきても、それを素早く捜すのを楽しんでいる。

 

気に入るポイントは、顔のことを除いて踊りだけに限っても、

何とも説明しがたいのだが、

溜めとキレ、動きの大きさと繊細さ、シャープさと柔らかさ等相反するものバランスだろうか。顔の付け方、体の角度とかの見せ方、センス。

 

ああ、この『センス』という曖昧なものがキモなのよ。

 

でも、『華』とは少し違うような気もする。

 


そして、常々思っているのだが、残念なことに逆もあり、

お稽古場で目立っているのに、舞台に上がるとどうしたことか

目立たず埋没してしまう人がいる。『逆華』だ。

そういう人は、性格的に押しが強い気がする。(あくまでも私見

 


自分がどちらのタイプか、どちらでもないのか、わからない。

人は自分自身のことはわからないのである。

ただ、言えることは舞台にはすべてが表れると言うこと。

 

人格、性格、人間性

 

コワいですね~!

 


謙虚に感謝を忘れず真摯に生きましょうね。

オバリーナはけなげに心に誓うのです。

いくつまで続けるか

いくつまで、何歳までバレエを続けるか?

 

そりゃ出来るだけ長く続けたい。

バレエを愛するオバリーナなら皆同じ気持ちだろう。

家庭の事情、経済的なこと、自分自身の体や気力、様々な事情を抱えるオバリーナ。

 

私は、気力の方は大丈夫だ。

バレエへの情熱はもう30年以上途切れていないから。

結婚や出産で中断時期はあったものの、再開したい気持ちは常にあった。

 

私は子どもからではなく、大人からバレエを始めた組。

子どもの頃から憧れてはいたが習うことは出来ず、

大学の頃一念発起して、カルチャーセンターに習いに行ったのが初バレエ。

モダンバレエだったがそれを2年くらい続け、長い中断があって

長女が幼稚園の年長さんになった時、長女と一緒に始めた。

そうしたら次女もやりたいと言い出し、親子3人でしばらく習っていた。

長女と次女は受験で止めてしまったが、私だけが続いている。

もう、通算30年近く。我ながら、良く続いているなあと感心する。

 

 

さて、気力は大丈夫として……

病気、けが。今のところ持病は無いけど、これからのことは何とも予想しがたい。

病気になるかもしれないしならないかもしれない。

わからないので、恐れてウジウジしても仕方ない。

なるようにしかならない。

 


以前は漠然と70歳位までは続けられるかなあ、と思ってた。

でも60になった今、目標を伸ばして、75歳位までにしようかと思う。

取り敢えず。また上方修正するかもしれない。

 

海外のバレエレッスンの動画には、良く素敵な白髪のマダムがレッスンする姿が見られる。私も、なんとなく行けそうな気がする。そんな気持ちで過ごしている方が楽しいではないか。

 

レッスンするといつも、心も体もデトックスされて爽快な気分になる。

 

バレエを止めたら、体力も筋力も落ちて体の張りも柔軟性も失われてしまうだろう。

何よりも、もう、オバリーナじゃなくなってしまう。

 

ただのオバサン。いや、オバアサンか……、悲しい……

 

それはイヤだ。抗ってやる。

 

教室で最高齢になってヨボヨボ踊って皆にあきれられて上等。

世界最高齢のオバリーナになりたいな。

 

皆、頑張ろうね~!!

センターレッスン、どこで踊る?

バーレッスンが終わると、バーを片付け広くなったフロアでセンターレッスンが始まる。

 

さあ、あなたはどの位置につきますか? 

 

これね~同じメンバーの定期的なクラスの場合、大体決まってしまう。

暗黙の了解。先生が、あなたここ行きなさい、と指定することは少ない。

私はベテランオツボネリーナであるゆえ、いつも前列になるわけだ。

 

 

まあ、気持ちはわかります。

自信ない。覚えられない。後ろの方が間違えても目立たない。

 

でもね……。たまには、思いきって前に行ってみたら?

 

日本人は特にそうかもしれないのだが、奥ゆかしい。譲り合う。

恥ずかしがりや。遠慮がち。憶病。目立ちたくない……。

で、後ろに引っ込む人のなんと多いことか。

 

でも、あなたのその奥ゆかしさが上達を妨げている!

 

恥かいてナンボ! あなたは何のために来ているのか? 

惰性でなんとなく? 運動不足解消? 友だちとおしゃべりするため? 

バレエをしにレッスンに来てるのではないのか? もったいない。

バレエは見られる芸術。見られることに慣れよう。むしろ見られることが喜びでありたい。

 

 

ホラ、音楽に乗って踊っている私を見て~!

綺麗でしょ~楽しいでしょ~あなたも楽しくなってきたでしょ~!?

 

まあ、悲しい踊りも有るけど……。

 

オバリーナたち、前に出てレッスンしようよ。

私は、いつでも後ろに行きます、喜んで。

睨んだりしません。

 

「今日は前でやってみちゃおっかな、いいですか?」とか笑って言えば、

先生も他のレッスンメイトも「オオ~!」と拍手ものだろう。

その結果、撃沈したとしても、あなたの勇気とやる気は賞賛されるであろう。

 

前で踊ってみましょう。

バレエは押しも大事。

後ろに行っても、先生がハイ、今度こっちが正面でやってみましょう。って

仰ることもある。

 

いろんな場所で踊ってみよう。

 

オバリーナが舞台で踊る場合はコールド(群舞)がほとんど。

多くの場合、いろんな場所に移動して踊るので、

レッスンでそれに慣れておこう。

 

オバリーナは感覚が鈍ってるし、方向音痴な人も多いので。

 

私もそうです……。